可愛いなんてバカらしい

熊田勇

「じゃ、みんなに紹介するね!今日から書記に入ってもらう沢谷真琴ちゃんです。」


「宜しくお願いします!」


結局、女として生徒会に入るしかなかった俺は書記として生徒会長のそばにつくことになった。


「とりあえず、簡単な自己紹介してもらっていいかな?熊田くんにはこの前話しておいたけど生徒会全員が知ってるってわけじゃないからお願いしますね♪」


「あぁ、こいつが沢谷真琴か。女だったんだな。」


ふてぶてしい顔と口調。


明らかにこいつが熊田ということが分かった。


印象は最悪だな。


「あれ?私知ってるよー。沢谷真琴でしょ?有名じゃない?」


熊田の横に座っていたショートカットの女が俺を指さした。


「え?真琴ちゃんって有名なの?」


生徒会長が少し首をかしげ、驚いている。


「ほら、美人で男をほとんど魅了しているって人でしょ?誰でも知ってるよー。ねぇ?」


ショートカットの女は横に座っていた小柄な女に話しかけた。


「うん...。私も知ってる...」


少し暗い印象を抱いた。顔は可愛いけど暗い女は少し苦手だなぁ。


「そうなんだぁ!じゃあ、自己紹介はいらないかな?」


生徒会長がそう言うと、熊田が反論した。


「俺は知らない。簡単な自己紹介ぐらいするのが礼儀だろう?」


熊田がブスッとした顔で言った。


ふてぶてしい奴だなぁ。


「沢谷真琴です。宜しく。」


熊田にニッコリと笑顔を見せ、すぐに目を反らしてやった。


ちょっとわざとらしくしすぎたかな。


「じゃあ、次はみんなに自己紹介してもらおっか!」


生徒会長が元気よく言った。


すると、ショートカットの女が手を元気にあげて、自己紹介をはじめた。


「私から自己紹介してあげよう!私は庶務の平田絵美です!宜しく~!」


すごく明るい人だと雰囲気で分かる。



「じゃあ、次、梨砂ちゃん!」


少し暗い印象の女がスッと立った。


「会計の横田梨砂です....。宜しく...。」


顔が赤くなっている。


暗いんじゃなくてただの恥ずかしがり屋なだけか。


「じゃあ、次、熊田くん!」


熊田がブスッとした顔のまんまでおもむろに口を開いた。


「副会長の熊田勇だ。仕事をきちんとしなければ即座に書記を降りてもらう。」


やだやだ、お堅い奴だねぇー。


こりゃモテねぇな?


「で、最後に知ってると思うけど生徒会長の神田幸です!」


生徒会長はニコッと笑って手をパンパンと叩いた。


「よし!じゃあ、自己紹介も終わったからみんなは仕事に戻って!真琴ちゃんには仕事の説明をするね♪」


生徒会長はこれから俺が使う椅子と机と資料を用意してくれた。
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