キミスキ。*くまのぬいぐるみ*

きっかけ



ある朝だった。

登校中、後ろから誰かに追い越された。


いっ、いい香り...っ!
何だこの女の子って感じの匂いは...!


前に来た人を見た。


あっ、りりさん!!!!!







小野瀬りり。


中学校の頃私が憧れていた先輩。


りりさんはすっごく可愛くて、背が小さい。

でもおしゃれで、女の子らしくて、髪もサラサラで、更に声も可愛いというまさに理想の女の子って感じだった。

中学2年生のとき、廊下でりりさんを見かけて一目惚れした。

どうにか仲良くなりたいって思ったものの、何もできず、接点さえないまま卒業してしまった。



私は始め、別の高校を希望していたから、りりさんとは高校が離れると思っていた。


だけど、私の学力ではそこは厳しいと言われ、こっちの高校に入学した。


だからまた2年間、りりさんと同じ校舎で過ごせる。



そして、今日。

朝会ったのは初めてだった。


相変わらずりりさんは可愛かった。


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