AM1:30
溶けたアイス
好きだと言われたわけじゃない。


好きだと言ったわけじゃない。



だけど翌日から2人の関係は変わった。



柊は私をよみと呼ぶようになったし、自分のことは大地と呼ぶよう言ってきた。





毎日昼休みは中校舎の屋上で、いろんな話をした。


柊は野球部で、夏の甲子園まで大変だって話。


高校生のお兄さんがいて、鬱陶しいって話。



1年生の頃から私を好きだった話。



将来は野球に関わる仕事がしたいって話。





いろんな話を聞いた。

キスもした。


だけど、本当に大事なことは言ってくれなかった。



今思えば多分、私も自分のことはあんまり話さなかったから。




おあいこなのかもしれない。






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