Schneehase~雪うさぎ
身代わり王子にご用心番外編
さあ、今度は私の番だ。
きみは自らの手で殻を破り捨てた。ならば、私ももう遠慮などしない。
マスコミなど知るか。世界中の人びと全てに、桃花を愛してると叫んでやる。
「桃花……」
私は桃花になるべく優しく微笑んだ。
「2年前の私と、気持ちは変わらない。私はずっとあなたが好きだ。今までも――そして、これからも……桃花、私はあなたが好きだ」
「……っ」
この瞬間、2人の想いは確実に重なった。20年の時と何千kmという距離を越えたのだ。これほど幸せなことがこの世界にあるだろうか、と思えるほどの幸福感に包まれる。桃花を抱きしめる腕に加減が出来ない。きっと息苦しいだろうに、彼女は微笑んでくれた。
桃花が、私の紋章入りの指輪を返してくれたから。改めて彼女の左手薬指に指輪を通す。少しだけぶかついたそれを見て、私は彼女に囁いた。
「おまえの紋章を作らなければいけないな」
「……はい」
その瞬間、私を囲んでいた世界が色鮮やかに芽吹いた。