Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編



「僕の知り合いで別荘を持ってる人がいてね。休み中に2、3日滞在しようかと思うんだ。美術部の合宿も兼ねてね。どう?」


当時桂木がそう提案してくれたのは、行き詰まってた私を見かねてだったと思う。


美術部の1年生は10月にある学園祭で自由なテーマの水彩画を一つ描かねばならないが、その時私は下書きもままならずにいたから。気分転換とモチーフの発見に協力しようと考えたんだろう。


だが、その時の私はありがたく思いながらも、余計な気遣いがうるさいと感じたのも正直な気持ちで。彼の提案を断ろうと口を開いた途端、桂木はにっこり笑う。


「そうそう、僕の小学校の時の部活友達にすごいモテる男の子がいてね。誰にも落ち着かないと有名だったんだけど、たった一人の女の子囚われて、今じゃその子ひとすじなんだって。
すごいよね、中学生でもう一生の覚悟をするなんて。
あ、ちなみに相手の女の子は水科 桜花って言うらしいよ。お姉さんも桃花って、かわいらしい名前だよね。彼らも招待しようと思うんだけど、どう?」


桂木から思ってもみなかった名前が出されて、そのまま彼に食いついた。


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