ナイト!
『よく言うじゃないですか、数年我慢すればその先ずっと長くいられるって』
「うん」
『あたしはそうじゃないと思うんですよ。ましてあたし達ってまだ高校生ですよ、今よりも未来を考えるなんて無理に決まってます』
「…………」
『だからこそ自分が思うままに生きたい、寂しくなったらその時どうするのか考えるし、会いたくなったら会いに行ける方法だって考える』
「…………」
『後悔だけはしたくないんです。それがあたしが南雲に生まれて学んだ事です』
桃乃ちゃんはあの威厳ある家族会がある南雲一族に生まれて、南雲に生まれたからこそできる事を身につけたんだと思う。
あたしとは真逆。
あたしは東雲から逃げられないと思って、諦めが強かった。
もう少し早く、桃乃ちゃんに出会えてたら、もしかすると違ったかもしれない。