ナイト!
***



また、きっと。

振り回されるんだろう。





理事長室の扉を開ければ、相変わらずの着物姿の理事長と、優雅にソファーに座る男。



「遅いぞ、副会長」

「すいません。あなたに頼まれてた資料を集めてましたので」

「うむ、それは仕方あるまい」



理事長は興味のあることしか積極的に行動しないから、普通の仕事は周りの人たちで対応しないといけなくなる。



副会長である俺にも、その被害は及ぶ。



「ばあちゃん、相変わらず圭人のこと気に入ってるよな」

「できた男だぞ、副会長は」



嬉しくもなんともない…。



理事長のことをばあちゃんと呼ぶこの男ーー南雲 結衣も、相変わらずだ。



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