雨のち晴れ
「春菜さんに何か変わった様子はありませんでしたか?ほんの些細なことでいいんです」

「それが、わからないんです。なぜあの子が引きこもりになったのか…もちろん、母親が亡くなったり、私が再婚したりと、あの子には不安で寂しい思いをさせてきたことはわかっています。でも、再婚すると言った時も祝福してくれたし、ゆかりや優香ちゃんともうまくやっていたと思います。学校も友達もいたし、勉強に遅れているわけではなかった。それがいきなり自殺未遂…そして引きこもり…なぜそうなったのか、本当にわからないんです」


「そうですか。一度、春菜さんに会いたいのですが」

「はいお願いします。春菜を助けてやって下さい」

和也は橘に何度も頭を深く下げた
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