また、キミに逢えたなら。


「調子はどう?」



白衣姿で黒い聴診器を首から下げた呉内先生は、にっこり笑って私の顔を覗き込んだ。



長い前髪の隙間から覗くキリッとした優しい瞳に、安心感を覚える。



「すごくいいですよ」



もう前みたいに退院させろとは言わなかった。


だって今じゃむしろ


もっと居たいと思ってるんだから。



なんて、そんなことは先生には言えないけど。



「そっか、良かった。来週の頭にレントゲン撮るからね」



そういえば、お母さんもそんなことを言ってたっけ。



「良くなってたらそれから2〜3日で退院出来るから」



「……はい」



素直に喜べないのは、シロー君のことが頭をよぎったから。



逢えなくなるわけじゃないけど、なんとなく寂しいと思ってしまう。


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