また、キミに逢えたなら。


「今日だけは休ませて」



布団の中から声を出す。


今でもずっと樹里ちゃんのことが離れなくて、ふとした瞬間に涙が溢れる。



「何があったかは知らないけど……今日だけだからね。学校には電話しておくから」



お母さんはそれだけ言うと部屋から出て行った。



いつもならガミガミうるさいのに、昨日の夜から様子がおかしい私を心配してくれているんだろう。



ありがとう……。

ごめんなさい。


明日からはちゃんとするから。



そんなことを思いながらギュッと目を閉じる。



樹里ちゃんの笑顔がいつまでも脳裏に焼き付いて離れない。


< 289 / 418 >

この作品をシェア

pagetop