また、キミに逢えたなら。


逢えると思うとまたドキドキして来た。



思い出すだけで胸が締め付けられる。



悲しげな横顔を思い出すと辛いけど、それは考えないようにして頭を振った。



その日の夜



2階のテラスがどこにあるのか前もって確認しておこうと思って、点滴が終わってから病室を出た。



私が入院しているのは13階。



なのでエレベーターで2階まで下りる。



その途中に3階で一旦停止したエレベーターのドアが開くと、エナメルバッグを下げた一人の男の子が乗り込んで来た。



彼は私に小さく頭を下げてから乗り込む。



律儀な人だなと思いながら隅の方に寄った。


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