また、キミに逢えたなら。


友達が入院……か。


だとしたら同年代くらいの人だよね。


みんな、色んな事情を抱えてるんだ。



若くして病気になんてならないと思っていたけど、それはただそういう世界を知らなかっただけ。



こういう世界もある。


テレビの中だけのことだと思っていたけど、現実はこんな身近なところにあった。



入院してから色んなことを学んだ気がする。



「あ、じゃあ私はここで」



2階で停止したエレベーターのドアが開くと、軽く頭を下げてからそこを出た。



「またな」



その言葉に振り返って、もう一度会釈をする。



ドアが閉まったのを確認してからテラスへ向かうべく歩き出した。


< 94 / 418 >

この作品をシェア

pagetop