被害妄想ダーリン


「でも、ま、
修司に泣かされたら俺に言うて来いよ。」



…なにそれ。
どっちの味方なんだか。



そう思って少し笑った。



「なんや?」



「なんでもないです」




そっか
そっか。



慎一さんは私が思ってるより、
怖い人じゃないのかも。





あの時…
G・Wの時。



慎一さんが
ウエディングドレスの事を話してくれなかったら…




私と修司くんは今、
どうなってただろうか?




「ありがとうございます、
慎一さん。」



そう言うと慎一さんは照れくさそうな顔をした。





観覧車が一周し、降りると
修司くんが待っていた。



「毒ガスよりも恐ろしいものが…!」



へ?



「真知子ちゃんがマフィアの幹部に監禁されてたなんて!」




……大袈裟な。
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