被害妄想ダーリン


「あ、はい。
大丈夫です…」



修司くんは王子の顔をじっと見つめ、
逸らさないでいた。



「そうかい!
大丈夫かい!

でもお陰で顔が
男前になったんじゃないのかい?」


「あ、いえ…
もとからなんで」



…修司くん??



「そうかい!
ならよか…」



……ドカッ!!



鈍い音が鳴り、
王子は倒れた。



王子の後ろには
一人の女の子が立っていた。



「ヒカル!
あんた、またやったん!?」



か、
関西弁!?



「あ、あの…?」



女の子の方を凝視すると、
ハッとしたような顔でこちらにお辞儀した。



「ほんまごめんな!
痛かったやろ?

うちも昔やられてんけど
めっちゃ痛かってん!」



女の子は修司くんにそう言って
謝罪した。



「あ、あの…
あなたは?」



修司くんがそう言うと
女の子は王子を起こした。
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