ある帝国の恋愛事情〜love trouble 〜



この大広間にいた人数は、今は最初の半分にも満たなかった。



残ったのは、私と私と同じぐらいの年齢の男だった。












「…お前は行かないのか?」










男が私に話しかけてきた。











「私は行かない。人間は、とても哀れだ。」









「…変わってんな、お前。」










男は、平然とした声で私を見た。









私は視線に感じ、見返した。










……こいつ、おかしい。










私は思った。










顔色や、目、態度が他の奴隷者よりもいきいきしている。













「お前は、…何者なんだ?」










私は尋ねてしまった。




これは尋ねてはいけない気がした。



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