意地悪のっぽと強気ちび


「あのっ、この前はごめんなさい!」


「私たちもあの後すごく反省して………っ」



人通りの少ない階段の踊り場に着くなり、すぐさま謝られる。

涙を滲ませながらの謝罪は、本気で反省してることがはっきりと伝わってきた。



「別に、もういいです。おかげで結城くんと友達になれましたし」


ふわりと笑えば、ほっとしたように肩の力を抜く女の子たち。



「むしろ、そこまで人を好きになれるって素敵なことだと思う」



その言葉に、ある1人の女の子が俯いていた顔を上げた。


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