好きとスキが重なった日
寝言をふにゃふにゃ言いながら…
背伸びをした彼は悠真じゃなく、私の知らない人だった。

多分購買とかで会ったことはあると思うけど。


悠真じゃないのなら、一体誰!?


それより何で悠真の席に座ってるの?


「ねぇ、あなたが深瀬くん?」


明日香が眉間にシワを寄せ、その彼のことを下から上に見上げると、″うーん″と一人腕組みしながら悩んでいた。






そりゃ明日香がそうするのは仕方がないよ。



だってこの彼、何だか女好きみたいな顔をしてるんだもん!



しかもオタクっぽいし。




「いえ、俺は藤木直也(フジキ ナオヤ)です!」


「じゃあ、何で深瀬くんの席に座ってるんですかぁ?」


「頼まれたんですよ!その深瀬さんに」


「でも何で?」


「知りませんけど、俺の代わりをやってくれって!
まぁ…そういうことなんで、俺教室に戻ります」


「そうなんだ
ありがとう!話してくれて」


「いえいえ、じゃあ俺はこれで!」



その藤木くんが眼鏡をかけて教室を出ていくと、突然遠くからキャーと黄色い声が飛び交った。





嘘!?



もしかして悠真???

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