私と上司の秘密
課長は、私の後頭部を軽く持ち上げ、お互いの
視線が交わる。


課長の切れ長の目のイケメンの顔に、大人の
色気が漂っていた。


真剣な目で見つめられるが、私は、とても課長と目を合わしていることなんて出来ない。


このままずっと見つめられていたら、キュン死してしまいそうだ。


目のやり場困ってしまい、思わず視線を反らしてしまう。


「こっち、見てよ。」

視線を反らすことが許してくれない。


ゆっくり課長を見つめると、目の前が急に暗くなる。


私の唇に柔らかい感触のもの…。


課長の唇が私の唇を塞いだということが
分かった。


ほんの数秒のことだったけれど、長い時間の
ように感じられた。


「これで、もう、離れられないね。」


課長はそう言って、不敵な笑みを浮かべ、その直後、満足気な顔に変わった。


その笑みに一瞬、寒気のような身震いを
しながらも、課長の表情を見て、本当に
この人にからは、逃げられないんだろうと、
根拠のあるような、ないような確信した。


自惚れかも知れないけど、私一人を見てくれている課長に、拒否するという選択肢は存在しなかった。



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