私と上司の秘密
家に帰宅して、部屋着に着替える時、微かな
期待をしつつ鏡で自分の首筋を確認する。


「・・・。」

淡い期待が崩れさる。


朝と殆ど変わらない状態で、赤い華が散りま
くっていた。


そんな時、

「あっ!」

私が見ていた鏡に圭介の姿が写りこむ。


『いつのまに、帰ってきたのかな。
玄関の扉の開く音、全然気付かなかった。』

そんなこと、考えている場合ではない。


「お、お帰りなさい。
っていうか、全然、消えないじゃないですか?」

「えっ、な・に・が?」

笑いながら聞いてきた。


『絶対に、圭介、とぼけてる!』
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