BEAST POLICEⅡ
先導していた倉本のフェアレディZ280が、ブレーキを踏んで停車する。

「…ナビの故障らしい。妙な道に迷い込んだ」

ハンドルを握ったまま倉本が呟く。

場所は山に奥深く入った旧道。

東京郊外とはいえ、少し走れば、こんな鬱蒼とした場所もあるのだ。

「倉本さん」

GSX1100S KATANAに跨ったままの巽が、運転席の倉本に声をかける。

「ここらなら昔ツーリングで来たから知っている。もう少し先に行くとトンネルがあった筈だ」

頷き、再びアクセルを踏む倉本。

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