辛口な君は苦手です


「優衣ちゃんは覚えてないかもしれないけど、
高2になってすぐの時に、偶然、新発売のお菓子をくれた事があったんだ。」



そんなことあったかな?と振り返ってみるが思い出せない。



「その日、ちょうど飼ってた犬が亡くなって気分落ちてたんだけど、優衣ちゃんが話しかけてくれて、これ食べると幸せな気持ちになって元気が出てくるよって言ってお菓子をくれたんだ。」



「それを食べたら不思議と気持ちが温かくなって、優衣ちゃんの優しい笑顔を見て、元気がもらえたんだ。」




「そう、だったんだ…。」




「その日から気づいたら優衣ちゃんのこと目で追ってる自分がいて。

見る度見る度楽しそうに優衣ちゃんは笑ってて。


…ずっとこの笑顔を隣で見れたらいいなって思ってた。」




櫂くんのはまっすぐ目を見て気持ちを伝えてくれていた。
私があげたお菓子で気持ちが楽になったって言ってくれて、素直に嬉しいって思った。





「ありがとう♪嬉しい。」





「俺こそありがとう!

…これから優衣ちゃんに少しでも好きになって貰えるよう頑張るから。

優衣ちゃんも、俺のこと見て欲しい。」




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