優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

喫茶店を出て

赤羽さんの車で連れて来られたのは

住宅街の中にある

個室のある料理屋さんだった。


ここは、赤羽さんの上司になる

武内課長代理の叔母さん夫婦が

経営しているお店だった。


「何だかほっとして
落ち着く感じがします。」

畳の個室に入り

赤羽さんの向かい側に座った私に

「…武内課長代理に連れられて
初めて来て以来、今日で2度目だ。
この間お前から
出張日の連絡を貰った時
この店を思い出してすぐに予約した。
コースだけど、期待を裏切らない。
お前も気にいると思うぜ。」

そう言ってネクタイを緩めながら

赤羽さんはドカッと腰をおろした。


…私が連絡した後すぐに予約を?


「…ありがとう…ございます。」


赤羽さんにとっては何でもない事でも

私は自惚れてしまいそうで嬉しくなる。

もしダメなら諦めなきゃいけないのに

もっと好きになってしまう。

本当に諦められるのかな…。

「…おい、どうした?
黙ってないで、飲み物決めろ。
俺は酒は飲まないけど
お前は何でもいいぜ…。」

そう言って赤羽さんは

私にドリンクメニューを見せた。

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