Care
最悪
コツコツとヒールの音が響き渡る中怜子はふと時計に目をする。

23時を、少し回ったところ。

ふぅー、と深いため息と共に疲れがどっと体を支配する。

怜子は重い体をなんとか動かし家路に急いだ。
ドサッ

鈍い音が夜の静かな町に響く。

怜子の周りには鞄からこぼれた財布や携帯が投げ出され怜子のヒールが横向きに倒れていた。

一瞬なにが起こったか分からず座り込んでいた怜子だがすぐに自分が段差にけつまづき転んだことを把握した。

あわてて起き上がろうとするが疲れた体が言うことを聞いてくれない。

はぁーっと大きなため息が漏れる。

23時を、過ぎた町にも人影はあったがこちらに向けられる目は冷ややかだ。

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