日曜日のキミ。
〜しゅーやside〜


急にバスケがしたくなった俺に
裕人が声をかけてくれたのはいいが
俺はなんで殴られたんだ。

イライラしながら、俺達は体育館に入った。

裕人は、1番に1人の女子を見て顔を赤くする。

こいつ…わかりやすいな。


要するに、俺があの子を好きになったらって考えて、俺を殴ったわけだな。

俺は裕人を見てニヤリと笑った。
裕人はそれに気づいて、
「な、なんすか、」と焦っていた。

…言い忘れたが、俺はSだ。
人をいじるのはとても楽しい。

裕人は1番の被害者だ。
ニヤリと笑う俺の顔は
見透かした顔だと言う。裕人はな。

くだらないやりとりをしていると、
裕人の好きな奴がドアめがけて走って行った。
「こーーーーーこーーーあーーーーー」

体育館中に響くこの声に誰も反応しない。本人も。


いつものことなんだろうな。
なんて考えてて気づかなかったが
おれはドアから入ってきたここあって奴をじっと見つめていたらしい。

ああ、だってこいつ…
ちょーかわいい。

嘘だろってぐらい
ありえねーってぐらい
どストライクだった。

試合をやると言う声を聞き
俺はコートに立つ。
俺は…ここあ同じチームだ。

何を思ったのかしらねぇけど
ここあは俺に話しかけてきた。
「よ、よろしくねっ?」
すんげぇ笑顔で言ってきたから一瞬フリーズした俺に、不安そうな顔をむけるここあ。
その顔がなんだか愛おしくて
ふっと笑みをこぼした。
それを見逃さなかったここあは、少し怒ったような顔をしたので
「よろしく」って言って、試合を始めた


驚くほどに表情を変えたここあは、
うまかった。
何よりもバスケを楽しそうにやっていて
それにドキドキ音を立てる心臓が
うるさかった。
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