日曜日のキミ。
新の声は…震えていた。

泣くのを我慢してたんだろう。

精一杯の新の優しさに
私はさらに涙腺が緩んだ。

ただ、「ありが…っく…とう…っく」

それしか言えなかった…。

「もし、なんかあったらすぐ言えよ?
相談ならいつでも聞くから。
のろけでも…別にいいけど…。」

新は、あははっとおどけて見せた。

新なりの、声の掛け方。
新…!新…!新…!新!!

私の心の中は新でいっぱいで

ありがとうが言いたかった。

少しの沈黙で、落ち着きを取り戻してから
「ありがとう…じゃあ…ね?」

そう言って、電話を切ろうとした時、

「じゃあ、おやすみ…







幸せにしてもらえよ。」


そう言って新の方から電話を切った。


「ずるいよ…ずるいよ…新。」

再び溢れた涙にも気づかず、ケータイを耳に当てたまま、その場に泣き崩れた。

通りかかる人はみんな私を見下していった。

そんなことは気にも留めずひたすら泣いていた。

< 42 / 60 >

この作品をシェア

pagetop