あまのじゃくな彼女【完】

私の両肩に手をのせると、由梨はまるで気を落ち着かせるかのように長く息をはいた。


「いい?ちゃんと聞くのよ」

鬼気迫る顔に自然と頷く。






「係長、もうここには来ないわ」


「えっ・・・?」


訳が分からず思考が停止する。
必死に理解しようとするけど、それすら勝手に頭が拒否するようだった。




「新規の販売ルート開拓で、先方とどうやらトラブルみたいで。それに係長も来てほしいって、急遽海外出張。そしてそのまま異動・・・だって」



< 258 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop