あまのじゃくな彼女【完】
「それが問題なんだよ。俺は必要な時に必要なだけ付き合える女で十分なの。それを職場の人間手だしてみなよ。結婚だ浮気だって絶対うるさくなるでしょ。女同士のドロドロ程みてらんないものはないねぇ」
整った顔には似合わない、最低な言葉をつづけた。
・・・いや、この顔だからそんな事言えるんだろう。
高遠の話からすると、さっきの美人は“彼女”ではないみたいだ。
彼女はいない、というのも嘘ではない・・・ということになる。
「そういうことだから、コレ内緒にしといてね」
にんまりと笑った高遠は、どこか嬉しそうに見えた。
「会社にばらしても私には何の得にもありませんし。係長が仕事が出来るってことはよくわかってますから」
「んーそれじゃ何か信用ならないよね。ずるくない?吉村さんだけ俺の秘密知ってるの」