5日だけの二人
そこにシャワーを終えたユカが戻ってくる。
「なんだか楽しそうね。 本当に仲の良い兄弟みたいに見えるわ。」
まだ乾ききっていない髪を拭きながら嬉しそうなな表情を浮かべるユカ。 そんな彼女もまた、第三者が見たならば、優しく見守る姉のように見えたことだろう。 まあそれでも、光一とユカの年齢はほとんど同じなのはいなめない事ではあった。 それからしばらくすると、ユカは光一の前に座り、落ち着いた口調で切り出した。
「光一さん、昨日は失礼しました。 きっと私達に聞きたい事があるのでしたらどうぞ。 一晩眠ったら気持ちが落ち着きましたので、今ならちゃんと答えられます。 光一の目をまっすぐに見つめてくるユカの姿には、昨日の泣いている雰囲気は全く感じられなかった。 しばらくは黙っていた光一が、やがてゆっくりと口を開く。
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