5日だけの二人
手をヒラヒラさせながら笑っている中村は、本当に何も気にしてはいなかった。
「ちなみに年齢は僕と同じです、だから先輩の一つ下になりますね。」
珍しく桐山もフォローに周った。 彼自身も中村の見た目を勘違いした経験からだろうが、この姿は二人の女性陣には好印象のようだった。
「さて、とりあえず食事にしましょう。 さあさあ、お席に座って下さい。」
そろそろ良いだろう。桐山は頃合いを見計らって全員を席につかせる。
「あっ、そうだ。桐山さん、これ持って来たよ。」
そう言うとミカはバッグの中から何やら古めかしいレコードジャケットを取り出す。そんな大きな物が良く入ったな? などと光一が驚いていると、桐山は嬉しそうにそれを受け取った。
「ああっ! これですこれ。いやぁ、よく手に入りましたね? 本当に貰っていいんですか?」
欲しかった玩具を手にした子供の様な桐山にミカも嬉しくなる。
「いいよ、どうせ持ってても聴かないし。それに、そんなに嬉しそうにしてくれる人が持っていた方が絶対に良いよ。」
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