浮気亭主と借金地獄妻(短編)
ふと邦生の背中に、髪の毛が付いているのが目にとまった。

「あら、あなた。こんなところに毛が…」

(毛ーーーーーッ!!?)

おもいっきり立ち上がると、邦生は壁の方へ猛ダッシュした。

「毛?毛?毛~ッ?」

「そうよ、髪の毛」

(ヤバイゾッ! 髪の毛なんて! いつ付いたんだ? あれほど気を付けていたのに!!)

「取ってあげるわよ」

「いや、いいッ! 取らなくていい!」

(そうさ、取られてたまるか! 取ってそれを証拠に俺を痛めつける気だろ? ヘヘン…そうはいかのきんたま、その手は桑名の焼き蛤だッ!)

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