隣の席のキミが好き
そのセリフだけで満足だったのか、女は顔を真っ赤にしたまま俯いたから、その隙に逃げた。


寂しいなんて、本気で言ってるわけじゃない。


だけど撮りたいっていうなら、一緒に撮るし完全なウソじゃない。


振り向けば、仏頂面の志摩がいた。


俺を撮影しそびれた他の女子につかまっている。


名字が“あ”の俺は、そのまま志摩を置いて歩いた。








俺の席は、一番前…。


よりによって、アイツ…


相沢栞の隣だ。


他の子より少し大人っぽい顔立ちで、


天然なのか、薄茶色のロングヘアの毛先がクルンと巻いている。


いつもはひとつに束ねているけど…


今日は髪をおろしていた。



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