隣の席のキミが好き
昼休みになって、志摩が俺の席に来た。




「行くぞ。俺の分は、お前が奢る約束だよな」




「もちろん」




ふたりで教室を出る。




今日は学食で昼飯を食うことになってる。




中学のときのヤツらが席をとってくれてるはず。




学食に着き、カツ丼をたのんで席へと移動。




一番後ろの一角が、俺らの席らしい。




あ~、鈴木と食いたかったな。




なんで男と顔付き合わせて食わなきゃなんねーんだよ。




「青葉、目が死んでる」



横から志摩のツッコミが入るけど、ムシ。



















「コイツさ~、相沢のとなりだぜ。照れるから、席替われって言ってきて。どんだけかわいーんだよ」




志摩の勝手な勘違いに、反抗せずにはいられない。




「誰が照れるっつった!?嫌なんだよ!!マジで!!」




「照れんなよ」




「どこがだ。話しかけるなとか、見るなとか、クズとか言われてお前は耐えられんのか?」




「俺には言わねーからな。平和なもんだ」




「おいっ」




「お前のさー、そのチャラいのが気になんだろ?普通にしてろ?そしたら相沢も普通に接してくるから」




ごもっとも。




相沢は、俺の適当加減が鼻につくだけだと思う。




真面目そうだしな。




俺みたいなのを、生理的に受け付けないってやつなのかもしれない。



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