涙々~RUIRUI~
「え…、ぁ……、そのつもり」
高校卒業後、ここを継いでお母さんとやっていきたいと思っていた。継げなくても、近くに住んで手伝ったり…。
「母さん、喜ぶよ、きっと」
「りょ…や…」
名前を呼んだその声は、酷く枯れて彼に届いただろうか。
聞こえたのか知らず、彼はわたしに笑いかけ言った。

「俺、何でこんな風に育ったんだろうな…」

それは、わたしに悲しく映って抱き締めたくなった。だけど、その衝動は鋭い腹痛によって阻まれる。
「…っ!」
「ツっちゃん…!?」
さっきからしていた下腹部の痛み。今の話により、精神に負担がかかって痛みが増したのかもしれない。そんな簡単に痛みは増えるのか。
踞るわたしを見て、焦る涼哉。とりあえず背を撫でてくれて何度も声をかけてくれた。
「大丈夫、ツっちゃん!?ツっちゃん…っ!」
痛い。痛い…っ。背を撫でられることによって、温まるけれど痛みがそれを上回る。ダメだ。痛い…っ!

涙がドッと溢れたとき、体全体が温もりに包まれ、静かに痛みが消えた…。
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