°°ワガママの果て°°
冬の星がキラキラ照らす。
家を出て少し歩けば長い一本道。
コンクリートの段差に座って待つのが
わたしのいつものスタイル。



一本道の向こう側
さっきまで走っていたくせに…
急いでいないようなフリで歩いてくる
そんなあの人。

名前は
戸宮 悟(とみや さとる)

わたしは”悟くん”と呼ぶ。
悟くん♡さとるくん♡さーとーるくん♡と…
しつこく何度も呼ぶ癖があるのは
照れてハニカム笑顔を見るのが好きだから。


中学校が同じだった私たちも
もう19歳になった。






聞きなれた足音が大きくなり
ピタっと止まった。



「お待たせ」



星空に向けていた視線を落とし
決めていた言葉を口にする。



「来た♡わたしの王子様♡」
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