黄昏の特等席
 くすくすと笑いながら、他のページを捲っている。緑を選ぶ人はいつも笑顔の人が多いようだ。
 面白いページを発見したのか、エメラルドはちょっと楽しそうな顔になって、心理テストの文章を読んだ。
 健康を意識して、ヨーグルトを食べることに決めた。選択肢の中からどの味にするのか、選ぶ心理テスト。

「どれにする?」
「牛乳のヨーグルトにする」

 他のヨーグルトはフルーツが入っているものや栄養補強材系のものもあったが、グレイスはシンプルなヨーグルトを食べていたので、馴染みのあるものにした。

「何の心理テストなの?」

 エメラルドの綺麗な指が文章をなぞっていく。

「パートナーを選ぶ基準の心理テストだ。アクアは・・・・・・性格を重視して、相手を選ぶな」
「誰と仕事をするのか、きちんと考えないとね」

 もしも、自分が誰かを雇う側だとしたら、性格や人柄を第一に考える。

「心理テスト、遊び感覚でできるからいいね」
「そうだな」

 この後、どのくらい善人なのかチェックして、心理テストをした結果、グレイスはまごうことなき善人であることがわかった。

「純白であることも書かれているな・・・・・・」
「私、性格が良くないはずなのに・・・・・・」

 その心理テストが本当に正しいのか疑うと、エメラルドは力強く頷いた。

「間違っていないな」
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