黄昏の特等席
「主が好きだから?」
「彼のこと、好きだよ」

 またエメラルドはグレイスが主のことを異性として、好いていると誤解しているのではないかと思った。

「だけど、異性としてじゃないからね」
「そうか? それなら良かった」
「何が・・・・・・」

 ライバルがいなかったら、それだけ自分のことをアピールしたり、好きな子と仲良くなる時間が増える。エメラルドは好きな相手と一緒にいたいから、そうするだけ。
 もしも、自分に興味を示していなかったら、興味を示してくれるようにやってみるらしい。

「アクアに嫌われてはいないけれど、もっと仲良くなりたいものだな・・・・・・」
「嫌っているかもしれないじゃない!」

 こんなことを言っても無駄であることは自分が一番よくわかっている。

「だったら、確かめるか?」

 エメラルドの目つきが変わったので、グレイスは彼から離れる。
 いつも腰を抱き寄せて密着してくるのに、今日はそれをしようとせず、ただ視線を絡ませるだけ。それだけでもグレイスは追いつめられ、頬が色づく。
 これ以上追いつめられたくなくて、エメラルドを嫌っていないことを白状した。

「目が潤んでいる・・・・・・」
「欠伸が出そうになっているだけよ」
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