恋するリスク
「私も見てましたけど、結構なガン見でしたよ。」

「えっ!?相沢先生まで言いますか・・・。」

がっくりと肩を落とす佐藤くん。

彼を取り囲むようにして、みんなで笑った。

つい先日のことが、うそみたいだ。

「・・・まあ、仲良しで結構。」

西村先生はそう呟くと、佐藤くんの肩と私の頭を、順番にポン、ポン、とたたいていく。

そして相沢先生に目くばせをすると、2人でナースステーションへと歩いていった。

「・・・あっちも仲良しだね。」

「ですね。」

白衣をはためかせた二人の後ろ姿を見送る。

そこにはもう、誰も入り込めない2人だけの絆があった。

「ああ。そういえば、今度の日曜、大丈夫ですか?」

医者の2人から目線を移すと、佐藤くんは私を見つめて微笑みかける。

「うん。映画、観たいの決めたよ。」

「そうですか。じゃあ、また連絡します。」

「うん。」


あれから。


正式に付き合うことになった私たち。

これというのも全て、西村先生を主犯とする、穂乃香や百瀬先生たちが一芝居うってくれたおかげなのだけれど。

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