恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜


不動産屋に電話ではなく、わざわざアポ無しで出向いてみた。

幸いにも担当した営業の中年男がいた。

「いらっしゃいませ。あ、山田さんじゃないですか。お久しぶりですね」

営業マンは、愛想よくお茶を出してくれた。

「今日は、どうなさいました?」

何か知ってて隠しているようには見えない対応だ。だが、私がマンションの奇怪な話を始めると途端に青い顔になり始めた。


「まさか、今更いわくつきの家だったとか無いですよね?」
身を乗り出して聞いてみる。

「……あの、事件というか……事故なんですよね」

「事故?」

嫌な予感がしていた。聞きたくないけど、聞いておかないと……。


「実は……あのマンションが建って初めての家主が」
私の顔色を伺う営業マン。
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