恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

会議室の温度も急上昇したと思われた頃、私の耳元で
「今夜、空けとけ、真っ直ぐ家に帰れ!」
と、耳がキーンとなるほど大きな声で言ってきた。


「ちょっ! 鼓膜が破れる! 大声過ぎですよ!」


掴まれた手首を振りほどいて、キーンとした耳をおさえた。


「聞こえてますよ! 布団の次は、今夜空けとけですか? はぁ? 課長、いくら私でもキレますよ。いい加減にしないと」

椅子から立ち上がろうとして、足が引っかかりパイプ椅子と一緒に床に尻もちをついていた。

ガシャン!

「いたたっ……」

お尻がズキズキする。あまりの痛さに立ち上がれずにいると、目の前に大きな手が差し出された。


「ほら、掴め」

まじまじと見つめた長い指先。

ーーー男のくせに綺麗な指。

こけたままでいた私が、なかなか手を掴んでこないので、課長は椅子を下りて私の両腕を掴んだ。

私を立ち上がらせながら、
「早く座りなおせ。そのままでいられるとスカートの中身が見えてリアクションに困る」
と冷静に言った。

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