恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜


「あ、忘れてました。上に越して来た……ん? 嘘!」

課長に言いながら、よくよく考えたら私ってば課長の上に住むわけ?

両手で口を押さえた私は、引っ越しタオルを下へ落としてしまった。


タオルをゆっくり拾う課長。

「ぞうきん、落ちたぞ」

「あ、どうもって……ぞうきんじゃないし。た、タオルですから! あの、引っ越ししてきたので……」


拾ってもらったタオルを、また課長に渡す。

「薄手のタオルなら間に合ってる」


「はあ?普通言いませんよね? 引っ越しの挨拶に来たのにタオルは、いらないとかって」


「いらないものは、いらない。不必要なものは、ゴミになるだけだ」


「ゴミって! ひどい!」

「なら、言わせてもらうが、何故引っ越しの挨拶がタオルなんだ? 何故だ、山田」

課長の鋭い瞳が、光った。

「なぜ、お前が俺の下で無く上に住むんだ?」

「え〜、引っかかる所は、そこですか?」

「下なら許せるが、上? 不愉快だ」

ーーー知らないよ。そんなことさぁ。


★教訓

マンションを購入する際は、必ず近所に住む人間をリサーチするべし!

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