恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「課長、煙が立ったからと言って改めて火を起こす必要はないと思いますけど」


課長はカランとグラスの中の氷を揺らした。


「そうか? ただ、俺がお前の下に住んでることはバラすなよ」


「どうしてですか?」


「カッコ悪い。ミジメだろ。あり得ない。上司が部下の下に住んでるなんて知られたくない」


「それ、どんなプライドですか? 馬鹿馬鹿しい」

私はチーズを摘まんで口に入れた。

ーーーうっ、まずっ。腐ってるっていうか、チーズは元来発酵してるんだけど、更に臭い。ブルーチーズって青カビが大量にはえている。
知ったかぶって、課長ってば何こんなのオーダーしてんの?!


「ブルーチーズ嫌いか?」

「えぇ。完璧にカビてますよ」

「当たり前だ。チーズなんだから。お前は、なんでも見た目で決めるのか?」課長がブルーチーズを摘まむ。
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