浮気男に逆襲を!
「……ありがと」
「どーいたしまして」
「あたし、アッくん先輩が彼氏でよかった」
にっこり笑ってそう言えば、先輩は照れくさそうにパッと顔を背けて、
「何でそういう可愛いこと言うかな…」
「へ?」
「これでも必死に自制してんだから、むやみに誘惑すんなよ」
「はっ! ?」
ゆ、誘惑って!
あたしそんなことしてないし!
「──…隙あり」
ふいに繰り出されたほっぺチュー。
慌てて頬を押さえた際に見えたのは、あたしの好きないたずらっぽい笑顔だった。