突発性ヴァンパイア・ガール!
「絶対、あんたを独りにしない。

嫌われても、そばにいる」


吉崎君は真っ直ぐ私の目を見つめてそう言った。


「これからも、ずっと」


そして一歩、私の方に近づいた。


「最初、あんたのことはただのバカだと思ってた。

右手と右足を一緒に出して歩くなんて、誰でもバカだと思うだろうけど」


それ、亜美にも言われた気がする。


「それに、学校よりも吸血鬼を退治する方がよっぽど俺にはあっていた。

学校なんて行かなくてもテストさえ良ければ単位はもらえるわけだし、正直行く必要はなかったのに。


でも、気が付いたら、毎日通ってた。

そのために、わざわざ吸血鬼退治の依頼をこなす量を減らしてた。


気が付いたら、学校を楽しみにしてる自分がいた。

驚いた。

今まで、こんなことなかったから」


吉崎君は懐かしむように、そう言った。


「もっと驚いたのは、バカだとしか思っていなかった奴をずっと目で追いかけていたことだ。

気が付いたときは焦った。

同時に腹が立った。

なんであんなバカをずっと見てんだって」


「ちょっと、待って、腹を立てるのに私は関係ないよね!?怒んないで!?それ八つ当たりっていうんだよ!?」


それに、と私は言葉を続けた。


「何気に酷いことを言ってるよね!?本人目の前にして、あんな馬鹿、とか、バカだと思ってた、とか、普通言う!?」


「俺は言う」


「いや、そんなこと断言しないで!」


とにかく、と吉崎君が言った。


「あんたをずっと見てた」


吉崎君はまた一歩私に近づく。


「ようやく気づいたんだ」


そして、私の前まで来た。


そして3秒間、私の後方にあるあの噴水を見つめる。





「あんたが好きだ」





私は目を見開いた。
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