現代のシンデレラになる方法


そんな、いつか私にも王子様がなんて。

そんな恋に憧れていた頃もあったけど、ある日気づいてしまった。


自分なんかが、お姫様になれるわけがないってことを。


童話の中のお姫様は皆、可愛くて特別な女の子達ばかり。

お姫様は皆生まれながらのお姫様だった。

いたって平凡……、いや平凡以下の私には遠い世界のお話だったのだ。

私は可愛くないし、特別な選ばれた人間でもないのだから。

王子様がやって来て、突然恋に落ちるなんてことは現実ではありえないのだ。


……中学生に上がった頃だったろうか。

もうそこでは小さな社会が形成されていた。

その中でいつの間にか、ランク付けされるようになって私はその中の最下層に位置づけされた。


友達なんていなかった。

先生だって見向きもしない。


私は自己主張しちゃいけない存在なんだと、「空気」であることに徹した。

それでいつしかついたあだ名は地味子ちゃん。


あの頃は人の目が怖くて、まともに前を向いて歩くことさえできなかった。

今でさえ、人の目を見て話すのは苦手だ。


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