現代のシンデレラになる方法




「そ、そんなことないです。見てください、こんなに買ってもらっちゃって……っ」


そう言って証拠とばかりにレシートを取り出すと、先生に見せつけてやった。

それをちらっと見て、まさかの一言。


「……安いな」

「だろ?」

「もうちょっといいとこ連れてってやれよ」

「いや、だってこんなに安いとは思わなかったし」


や、安いことの何がそんなにいけないんですか……っ!

心の中でそう叫ぶ。


こういう話をすると、本当に別世界に住む人達なんだなって実感する。

お金の価値観がまるで違う。


こんなんで本当に先生と付き合っていけるのだろうか……。

ふと、不安になってしまった。




それぞれ、好きなものを頼み食べ終わった後、先生が私にデザートを勧めてきた。


「ひなた、デザートいいのか?」

「え、と、大丈夫です」

「抹茶パフェあるけど」

そう言ってメニューの写真を見せる。

抹茶アイスに小豆と白いお団子がのっているもの。

「わぁ、おいしそうです……っ。でも残しちゃいそうだから……」

「残したら、俺が食べるから」


そう言うとパフェを一つ頼んでくれた。

そして、先生達は食後にコーヒーを頼む。

もしかして私がコーヒーを飲めないから気遣ってくれたのかな……。


「なんか付き合ってるみたいだな」

そんな先生と私のやり取りを見ていた昴さんが言った。


「あぁ、だって付き合ってるから」

一拍おいて先生がそう答えた。


「……え、マジで?」

目を見開いて驚く昴さん。


「病院では隠した方がいいんじゃないですか?先生人気あるから、きっと女子達はいい気しませんよ」

西原さんは昴さん程驚かず、そう心配してくれた。





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