youth diaryーぼくらの物語ー



素直に照れる真子が可愛かった。噛みながらだけど、吏紗に話しかけに行く真子が面白かった。


なんで、『いま』なんだろう。


もう少し後に、「吏紗が好きだ」と言ってくれていたら私だって素直に応援出来たはずなのに。


母さんが居なくなって、父さんは寂しさを紛らわすように倍以上に働き出した。家に帰っても、誰も「おかえり」と言ってくれなくなった。寂しかった。


こっちに戻って来て、一番最初に浮かんだ顔は吏紗たちだった。


会いたかった。泣きつきたかった。誰もいないんだと、寂しんだと、この感情の捌け口が欲しかったのに、去年はストレスと喘息の発作で入院した。


父さんは一度しか見舞いに来なかった。


「はぁー…」


ソファーの上で大きな溜息を吐く。


部屋に上がって、適当に着替えて財布と携帯を持ってリビングに戻る。


「…行ってきます」


そう言って玄関の扉に手をかけた時だった。


ピンポーン


家のチャイムが鳴った。



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