【短編】 たたり
「なんて、ことだ!」
あわててもう一度電信柱に頭をぶつけてみたけれど。
それからぼくがお化けを見る事はなかった。
だけど、お化けは……確かに、存在するんだ……
道端の、部屋の、ありとあらゆる場所で。
誰かを陥れようと。
タタろうと、手ぐすねひいて、ぼくを待っているんだ……!
タタりのもとが見えないのが、こんなにこわいなんて知らなかった。
どことも知れない空間がしてぼくの背筋は一気に寒くなった。