赤い電車のあなたへ



わたしと龍治さんはとりあえず駅のコインロッカーに荷物を預け、龍太さん探しをする事にしたけど。ほたるまで付き合わせていいかわからない。


せっかくの旅行なんだし、予定ではここで夏樹とほたるを2人きりにさせるはずだった。


なのに、夏樹がいないからほたるがひとりきりになってしまう。


ひとりに慣れたわたしと違って、ほたるはひとりで過ごすのが嫌なタイプだから。どうしようか?


わたしが付き合うのが一番いいかもしれないけど、龍太さん探しも疎かにはしたくないし。
龍治さん1人で捜すより二手に分かれた方が効率的だから、わたしはすっかり捜す気でいたのだけど。


「いいよ、ほたるちゃんと行っておいで。せっかくの旅行に便乗したのは俺だし、そのために楽しみを潰すことはないから」


龍治さんがそう言ってくれたし、ほたるの様子が気に掛かるわたしは、とりあえず提案に甘える事にした。


ほたるがもしかしたら、電車での会話を聞いて何か勘ぐってしまったかもしれないし。
わたしにすればとても大切な親友に誤解されたままではつらいものね。



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