帝国湯へ、いらっしゃい
勝負


明日は四十九日


俺は上級編の本を読むまでになった


「龍ちゃん」

「ん?」


本を片手に研究中


「何を賭けるのか教えろよ」

「教えない」


「なんでだよ。教えろよ」

「やだ」



パチン


「ったく、お前も教えないのかよ」

「俺の場合は賭けっていうか、願掛けみたいなもんだから」



「………それ…」


パチン


「それ、タケも言ってたかも」

「え?」



「タケさんは賭けたんじゃないの?」

「あーちょっと待て。記憶が………」


「思い出してよ!」



「あー……あれ?賭けたんだっけな?どっちだ?」

「すっごく大事なんだから!頑張ってよ」



「そんな無理難題を年寄りに言うなんて」

…………ま、そうだよね



「龍ちゃんの賭けの内容を知れば、思い出すかもなあ」

「その手には引っかからないよ」



「くっそう」

< 135 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop