人魚と恋
連絡先

雨の日



最後にゆうさんとスーパーで会ってから二ヶ月半くらいが経っていた。

最初の一、二週間はほぼ毎日のようにスーパーに行っていたけど、全く会えず、それ以降はだんだん行く日数が減って行った。
でもまだ少し諦めきれない気持ちは残っていて、そろそろまた行こうかな、と思いながら校庭をぼんやり眺めていた。

今は授業中だけど、半分くらいのやつが授業を聞いてない。みんな寝てたり、他の勉強してたり、おれみたいにぼーっとしたりしてる。
友だちの司路はノートは真面目にとる派だから黒板と教科書とを交互に見てる。
司路は何日か前の席替えでおれの前の席になった。だから、必ず視界に入る。

席替えをしてから司路はたいてい、ノートを取るか本読むか、おれと話すか、おれの方を心配そうに見てる。
理由を聞いても、なんでそんな風に見るのか言おうとしない。変なやつだ。

その約20分後、退屈な授業が終わった。
司路がおれの方を見る。

「お前またぼーっとしてただろ。」

「え、なんでわかんの。」

はぁ、とため息をつき、司路はおれの質問に答えず別のことを話した。

「お前、最近ちょっとぼーっとしすぎだぞ?
そりゃ成績は良いだろうけど、もう少しシャキッとしろよ。
せっかくの男前が台無しだぞ。」

普段男前なんて全く言われないから、どうしたんだよ、とか言っても司路は

「とりあえず、今日くらいシャキッと良い顔してろよな。」

としか言わない。
意味が分からないまま次の授業が始まった。おれはまた外を見ながらぼーっとする。だから、おれを見てる人がいるなんて本当に気が付かなかった。



ー午前の授業が終わり、昼飯の時間になった。いつも通り司路と2人で食べた。
けど、いつもと違うことがあった。
司路が購買で買いたいものがあるからついて来てくれって言うから、食べ終わったらついて行くことにした。

そして、昼が食べ終わって、そろそろ購買に行こうとした。その時、廊下から他のクラスの男子が俺を呼ぶ声がした。

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